"マドギワ" サラリーマン研究員の日常

妻子持ちマドギワ企業研究員が経済的自由の達成を目指して投資に挑戦しています。子育てや仕事についても綴ります。

S&P500などの株式指標とビットコインの関係性を考察【相関性・先行指標性】

 

はじめに

S&P500種をはじめとした代表的な株価指数ビットコインの関係性を考察しました。

 

株価指数と仮想通貨の相関性を議論する意味

投資おこなう際にポートフォリオを十分に分散させることは、リスク回避の都合上良いことです。相関性のないアセットを組み合わせて保有できれば、万が一の損失を最小限に抑えつつ、最適なリターンを狙えます。

例えば株価・不動産(REIT)・金・債権といった異なる種類のアセットは、一般的に相関性が低く、自身のポートフォリオに適切に配分させることでリスク低減が期待できます。

仮にビットコインをはじめとする仮想通貨が株式市場と相関関係が低ければ、ポートフォリオでの分散投資のための役割を果たすアセットの一種となり得ると考えられます。特に株式市場と逆相関を示す金とは違った役割を果たす可能性もあり興味深いです。

また、仮想通貨への投資が一般的になりつつある中で、ボラティリティの高いこの市場は投資家のセンチメントを最も敏感に受けるとも言われており、株式市場の先行指標として扱える可能性もあります。

 

以上を踏まえて仮想通貨と株式市場の関係性として、主に相関性と先行指標の2点を検証していきます。

これまでの代用的な議論の振り返り

これまでいくつかの資料で株式市場とビットコインの相関性が議論されています。簡単にまとめてみました。

 

Coinpost(2019/1/8)

β値とピアソン相関係数(PCC)を使用してS&P500種とビットコインの相関性を考察しています。

ビットコインのベータはS&P500に対して激しく変動していた。2018年はビットコインのベータは0.30で、弱い相関性がある様であったものの、仮想通貨市場が暴騰した2017年は0.92でありほぼ完璧な相関関係にあった。しかし2016年は-0.16でほぼ相関関係はなかった。全体として、2015年から計算すると、ビットコインのベータは0.24であり、「この結果からビットコインは株式市場との相関性は無く、もしくはボラティリティが激しく推測不可能であると考えられる」と、CryptoSlateは結論をつけている。(記事より抜粋)

 

記事の結果まとめを以下に添付しました。

2016年以前は相関性が低く、暴騰した2017年は完璧な相関が確認でき、2018年は弱い相関が確認されました。

ビットコインなどの仮想通貨市場には2017年以降から参入した人が多いため、今後の動向は2017、2018年あたりの傾向を参考にするのが良いと思います。

 

coinpost.jp

 

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Coinpost(2019/1/8)の記事より抜粋

THE WALL STREET JOURNAL (2018/3/12)

約1年前と古い情報で恐縮ですが、仮想通貨と株式市場の相関を言及している記事です。

暴騰した2017年以降は株式市場と相関が強まることで、一部の識者は仮想通貨が株式市場の先行指標になり得ると主張しています。

jp.wsj.com

 

株式市場とビットコインの相関性の確認

比較に用いた株式市場

今回はS&P500種、ナスダック100、日経平均株価を指標として用いました。

S&P500は言わずと知れたアメリカの代表的な株価指数です。大型株500銘柄で構成されています。

ナスダック100はITなどのテック系企業の占める割合が高いために、しばしば仮想通貨と相関性が高いと言われていました。

さらに日経平均株価との連動性についても確認していきます。仮想通貨の世界シェアを確認すると、日本の占める割合が比較的大きいことがその理由です(下記資料参考)。

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仮想通貨取引についての現状報告より抜粋 p12 (H30年4月、日本仮想通貨交換業協会)

比較期間と使用したサイト

比較期間は、暴騰前の2017年後半から現在までとしました。

使用したサイトはTrading viewです。

株式市場とビットコインの相関性

それでは図を用いて実際に確認していきます。

 

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株式市場(STOCK)と仮想通貨(BTC)の相関性比較

図中上はBTCと各指数の価格推移(価格ベース)を示しています。

図中下はBTCに対しする各指数の相関係数を示しています。

図中の上下共にラインは青ラインがビットコイン(BTC)(図中下部分には表示されていません)赤ラインがS&P500緑ラインがナスダック100クリーム色ラインが日経平均株価です。

 

<相関性>

相関係数の見方を簡単に紹介します。相関係数とは-1から+1までの数値で2つのデータの一定期間の相関性の強弱を示す数値です。+1に近くにつれ正の相関性が強い状態を示し、-1に近くにつれて負の相関性が強い状態を示します。0は相関性がないという状態です。

  • 各指数の価格推移を見ていくと概ね連動しています。同じような価格推移です。
  • 各指数の相関係数を確認すると、-1から+1まで時期によって大きく変化しています。BTCとの相関係数について、各指数で大きな差はありませんでした。
  • 個人的にはナスダックとBTCの相関がより強く出ると予想していましたが、意外にも日経平均との相関が比較的強かったです。(特に2017年11月、2018年4月末-6月中旬)。この時期は日経平均が上昇しており、日本人投資家にはリスクを好む心理が働いていたと考えれます。ビットコインの取引における日本人の割合が高いという背景を鑑みると、金融市場全体のセンチメントが反映された例かもしれません。
  • 相関・逆相関の議論は時間軸をミクロにとればできそうですが、マクロ(例えば通年)で見るとこれらの平均になるので、既報(Coinpostのテーブル参照)と同様の結果と思われます。2018年は株式と仮想通貨で僅かな相関が確認されたとのことですが、その結果は納得です。

<先行指標>

  • 仮想通貨が株式市場の先行指標になり得ていたか見ていきます。
  • BTCのA期間(2017年7月〜11月)は緩やかに価格が上昇。株式市場はBTCよりも1-2ヶ月遅れた2017年9月から緩やかに上昇し、その傾きは2017年末まで直線的で大きく変化しない(STOCK A)(特に米国市場ではその傾向が顕著)。
  • BTCのB期間は2017年12月上旬。価格は一気に高騰。株式市場は2017年12月末〜翌年1月末(STOCK B)の期間に上昇スピードが加速。高騰開始はBTCよりも1-2ヶ月ほど遅れた。
  • BTCのC期間は2017年12月中旬〜翌年1月末。価格は急落。株式市場は2018年1月末から2月中旬(STOCK C)にかけて短期間に下落。下落開始点はBTCよりも1ヶ月ほど遅い
  • BTCのD期間は2018年2月。戻し局面で、価格上昇。株式市場もBTCと同時期(2018年2月、STOCK D)に価格が上昇。
  • BTCのE期間は2018年3月。緩やかに下落。株式市場はBTCから約2週間ほど遅れた3月中旬(STOCK E)から価格が下落。
  • BTCのF期間は2018年4月。下落からの戻しで緩やかに価格が上昇。株式市場も同様に2018年4月から価格は上昇し、6月中旬まで一定の速度で上昇(STOCK F)。
  • BTCのG期間は2018年5月、6月の2ヶ月間。緩やかに下落。株式市場は2018年6月中旬〜7月(STOCK G)にかけて一気に下落。下落開始点はBTCの1-2ヶ月遅れ。
  • BTCのH期間は2018年7月。緩やかに上昇。株式市場は2018年7月〜9月(STOCK H)にかけて一気に上昇。上昇開始点は同じかやや株式市場の方が早かった。
  • BTCのI〜Jの期間は2018年7月末〜10月末です。長期に渡って緩やかに下落。対して株式市場は2018年10月を境にボラティリティが上昇し、11月末まで緩やかに下落(STOCK I~J)。下落開始点はBTCのおおよそ3ヶ月遅れ。
  • BTCのK期間は2018年11月で、大きく急落。その後、12月から現在までのL期間で価格は安定に推移。株式市場はBTCから1ヶ月遅れの2018年12月に価格が急落し、現在は戻し局面で価格が上昇。

 

以上より、BTCは株式市場に対して1-2ヶ月ほど先行する場合が多いことがわかりました。(データのとり方・考え方に問題がある可能性は否めません)

 

ただし、先行指標にBTCを使用しても、ボラティリティ(価格変動性)が高く正確な判断を下せるか難しい気もします。

また、株式市場は景気、企業収益、金利、インフレなどに基づいて価格が決まり、仮想通貨とは価値決定のプロセスが全く異なります。先行指標として見る場合でも、参考・限定的に考えた方が良いかもしれません。

 

仮想通貨同士での相関係数の確認

最後に仮想通貨どうしの相関係数も確認しておきます。私はビットコイン保有していないのですが、XRP保有しています。今回の議論が他のコインにも適用できるか調査しました。

 

今回確認したのは以下の3つのコインです。

BTC;基準、青ライン

XRP;緑ライン

ETH;薄ピンクライン

BCH;赤ライン(2018年のデータしかありませんでした)

 

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仮想通貨同士での比較
  • いずれのコインの相関係数も、ほとんどの期間で+0.5から+1の範囲に収まっており、BTCと非常に強い相関を示しました。
  • 価格推移もほとんど一致していますね。
  • このことから、上述した株式市場との関係性について、他のアルトコインも同様の傾向を示すと考えられます。
  • 仮想通貨を新たにポートフォリオに組み入れる際は、各コインのパフォーマンスを確認し、その中の最も良い通貨を一つ持っておけば十分でしょう。

 

まとめ

  • 株式市場とビットコインの関係性を考察しました。
  • 2018年の相関性については僅か程度であることを改めて確認しました。一方、価格推移の詳細より、結果的に株式市場の先行指標としてBTCが機能し得ることが示唆されました。BTCから1−2ヶ月遅れで株価が連動することが多くありました。
  • 一方で、ビットコインをはじめとした仮想通貨はボラティリティが高く投機的な値動きをすることも多いことは要注意です。また、株式市場とは価格決定プロセスが全く異なることから先行指標として扱うことは恐らく限定的にならざるを得ないでしょう。
  • また、仮想通貨を推す人の中には従来型の資産と相関しずらいという意見が多いですが、市場参加者が増えて時価総額が大きくなると、従来型資産とも相関し始めるのは避けられないというのが私の考えです。なので、「新たなアセットクラスだからポートフォリオに加えよう」というの意見には現状、懐疑的です。
  • どちらかというと、仮想通貨の独自性(機能性)が重要と考えています。従来型資産と比較して独自性を確立できれば、価格決定プロセスも独自的になり、結果として新たなアセットクラスとして認められるでしょう。その際の独自性というのは、通貨の機能性であり、いかに社会に役に立つか、どのような場面で使われるかという点だと思います。

 

 

 

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